【油博士コラム②】エネルギー産生栄養素(三大栄養素)1

皆さんが毎日3回取る食事、その合間についつい手がのびる甘いもの・・・。 普段、どれくらい「食べる」を意識されていますか? 日本は、飽食の時代と言われるようになって長くなりますが、好きな時に、好きなものを、好きなだけ、自分の「食べる」を自分で選べるようになりました。

でも、変ですよね? 自由に「食べる」を選択できるのに、体重は右肩上がり、生活習慣病は気になる・・・。 マイナスのことが多くないですか?

このコラムでは、皆さんの食事を選択する判断力(ヘルスリテラシー = 健康リスクや保健医療の利用に関する情報を理解し、実行できる能力)の向上に少しでもお役立ていただければと思います。

私たちの身体は、37兆個の細胞でできていると言われていますが、その材料となるのは全て口から体内に入れたものです。私たちが、普段、口から入れるものは食物か薬しかありません。病気の時には「クスリ」を飲みますが、それは病気で苦しんでいる時だけです。それも1日多くて2~3 g程度で、栄養素はほとんど含んでいません。しかし、食事は、1日3回、1年365日、毎日1.5~2.0 kgの栄養素を含んだ食事、いや! 栄養素のかたまりを摂っていることになります。
しかし、偏った食事を長年続けると、細胞の活動も偏ってきて生活習慣病のリスクが大きくなります。毎日の「食べる」を、「好きな時に、好きなものを、好きなだけ」ではなく、「いつ?、どんなものを?、どのくらい?」と気を配って食べることが健康な身体を維持するスタートラインなのです。

食物には「栄養機能」、「感覚機能」、「生体調節機能」の3つの機能があると言われています。

「栄養機能」は、骨格、組織、筋肉など身体を作る材料やエネルギー源のことで、文字通り「エネルギー産生栄養素(三大栄養素)」の起源と言っても良いでしょう。「エネルギー産生栄養素(三大栄養素)」とは、ごはんやパンなどの「炭水化物」、肉、魚、卵、大豆製品などの「たんぱく質」、植物油やバターなどの「脂質」のことです。
「感覚機能」は、美味しさや香りを味わうことです。いくら身体に必要だからといっても、味気ないもの、美味しくないものでは楽しく続けていくことはできませんよね。また、傷んで腐ったものを本能的に吐き出すこともこれに当てはまります。どちらもとても大切な機能です。
最後に、「生体調節機能」。これは,身体の調子を整える作用のことです。近年、病気を予防するなど「食の機能性」として注目され、たくさんの機能性食品が販売されるようになりましたね。

次回は、具体的に「エネルギー産生栄養素」について紹介していきます。


◆あぶら博士プロフィール(詳しくはこちら

*守口 先生(薬学博士)

麻布大学 生命・環境科学部 教授
日本脂質栄養学会 理事長

 

 

 

 

*原馬 明子 先生

麻布大学 生命・環境科学部 特任准教授