【腸活コラム】脳の老化も腸が原因⁉腸を整えてうっかり予防をしよう!

内閣府が発表した令和2年版高齢社会白書によると、65歳以上の人口は3,500万人以上となり、総人口における高齢者の割合も28.4%と年々高齢化が進んでいます。その中でも6人に1人が認知症と言われその数も年々増加することが見込まれています。そんな誰もがなり得る認知症ですが、実は発症には腸内環境が関わっているとも言われています。

今回は
〇認知症と腸内環境の関係について
〇腸活おすすめポイントを3つ
〇腸内環境を整える便秘解消おすすめレシピをご紹介します。

 

発症リスクが高まる 認知症と腸内環境の関係

腸内環境が悪化すると便秘や下痢になる、免疫力が低下する、肌荒れが起きる、体重が増えやすいなど様々な不調が見られるようになります。そしてこの腸内環境の悪化により認知症のリスクが上がると言われています。

2019年1月、国立長寿医療研究センターは、認知症有病者の腸内にはバクテロイデス門の菌※1が認知症でない人に比べて少ないという発表を行いました。バクテロイデス門の菌は善玉菌が優勢な腸内で活躍する日和見菌※2であることから、腸内環境の良さと認知症発症するかどうかが関わっていると考えられています。

※1 バクテロイデス門の菌とは 腸内細菌の1種。
※2 日和見菌とは 腸内細菌の分類の一つで、腸内の善玉菌、悪玉菌どちらか多い方の働きに加勢する。

また腸内環境が悪化すると、神経細胞同士の情報を受け渡しするシナプスで働く「αシヌクレイン」というたんぱく質が大量に発生します。この「αシヌクレイン」が迷走神経を通り脳に蓄積することでレビ―小体※3を作り出します。このレビ―小体が大脳皮質に集まるとで「レビ―小体型認知症」※4が起きると言われています。

※3 レビー小体とは 神経細胞にできる特殊なたんぱく質のこと。
※4 レビー小体型認知症とは 認知症の種類の一つ。アルツハイマー型認知症に次いで2番目に多いと言われる認知症。

 

このように腸内環境の良さと認知症は深く関わっていると考えられるため、日ごろから腸内環境を整えて認知症を予防する必要があります。

 

腸活おすすめポイント

1.発酵食品を摂る

認知症有病者の腸内に少ないとされる「バクテロイデス門」を優位に働かせるには、悪玉菌に比べて善玉菌が優位に働く腸内環境を整える必要があります。発酵食品は乳酸菌などの善玉菌や、そのエサとなる食物繊維やオリゴ糖が含まれているため、効率的に腸内環境を整えることができます。特にみそやしょうゆ、キムチなどの植物性乳酸菌が豊富に含まれる発酵食品がおすすめです。毎食1~2種類程度様々な発酵食品を摂り入れるようにしましょう。

 

2.食物繊維を摂る

腸を整えるための食事と言えば食物繊維。食物繊維の中でも水溶性食物繊維は、ねばねば系の野菜や海藻類、果物に多く含まれ腸内に善玉菌を増やすために摂っていきたい食物繊維です。便秘の方にもお腹を下しやすい方にもおすすめです。お通じの状態が良くなってきたら善玉菌のエサとなったり便のカサを増やしてくれる不溶性食物繊維を徐々に増やすなど、腸の状態を感じながら食べるものを変えていきましょう。

 

3.えごまオイルを摂る

えごまオイルにはオメガ3の一つ「α-リノレン酸」が含まれ、体内で一部DHAに変換されます。DHAは脳の神経細胞に大切な栄養素で、情報伝達をスムーズにすると言われています。オメガ3は体内で生成することができないため、食事から摂る必要があります。えごまオイルは1日小さじ1杯程度摂るだけで一日に必要な量を摂取することができ、サラダやみそ汁などお好みの料理にプラスすることで無理なく続けることができます。

 

便秘解消に!和えるだけ彩りおかずレシピ

今回ご紹介するのは和えるだけの華やかなキャロットラペです。

にんじんには腸内のビフィズス菌を増やす手助けをしてくれる因子が含まれています。また通常ラぺにはレーズンを入れますが今回はレーズンよりも食物繊維量が多いプルーンを使い、甘味を利用して通常加える砂糖も不使用にしました。料理に果物の甘味を活用することで、腸内環境を乱す原因となるものの摂取を減らすことができるので様々な場面で活用してみてください。

作り置きにも!簡単キャロットラペ

【材料】(2人分)
・にんじん(千切り)…1本(150g)
〇プルーン(さいの目切り)…6個(40g)
〇米酢…大さじ2
〇塩…少々
〇こしょう…少々
〇マスタード…(お好みで)少々
・えごまオイル…小さじ2

【作り方】
1. にんじんを耐熱容器に入れ軽くラップをして500wのレンジで3分加熱する。粗熱が取れたら軽く水気を絞る。
2.〇の食材を加えてよく和えて馴染ませる。
3.食べる前にえごまオイルをかける。

(レシピ考案:腸の学校インストラクター/栄養士 柴田今日子)

 

【参考文献】
江田証(2020)『おなかの不調の原因と治し方が、即わかる!腸のトリセツ』株式会社学研プラス

内閣府「高齢化の現状と将来像」令和2年版高齢社会白書(全体版)(PDF版)(2020)https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2020/zenbun/02pdf_index.html(最終閲覧日:2021年5月15日)

創新社「認知症と腸内細菌が強く関連 認知症患者で少ない菌が判明 長寿 医療研究センター」保健指導リソースガイド(2019)http://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2019/008000.php(最終閲覧日:2021年5月15日)


◆加勢田 千尋さん(管理栄養士)
腸専門の食育学校を運営する
「一般社団法人日本腸内環境食育推進協会」代表。
腸の専門家として、薬やサプリメントに頼らない
腸を元気にする食事法を発信している。