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健康コラム

【腸活コラム】意外と知らない3つの便秘タイプとは

一般的に、便秘解消といえば「食物繊維を摂ること」や「水を2ℓ以上飲むこと」といった対処法をイメージされる方が多いと思います。

しかし、この一般的に便秘解消に良いと言われている対処法が、実は逆に悪化させている可能性があることをご存知ですか。

便秘知らずの体質を手に入れる為には、まず「自分の便秘タイプ」を知り、それに合わせた対処法を行っていくことが大切です。


◆加勢田 千尋さん(管理栄養士)
腸専門の食育学校を運営する
「一般社団法人CHO-JIN食育協会」代表。
腸の専門家として、薬やサプリメントに頼らない
腸を元気にする食事法を発信している。

 

◍3つの便秘タイプとは

実は、便秘には食生活が原因によって引き起こされるものだけでも「押し出す力が弱いタイプ(弛緩性便秘)」「我慢タイプ(直腸性便秘)」「ストレスタイプ(痙攣性便秘)」の3タイプがあります。どれか1つだけのタイプの方もいれば、複数のタイプの体質を持っている方もいらっしゃるため、3タイプの組み合わせだけでも6パターンにもなります。

Aタイプ、Bタイプと明確に分けることが難しいと言われており、どのタイプの特徴を強く持っているかでおすすめの食事法も変わってきます。

今回は3つの便秘タイプのうち、「押し出す力が弱いタイプ(弛緩性便秘)」についてご紹介します。

 

◍押し出す力が弱いタイプ(弛緩性便秘)

女性や高齢の方など筋力が少ない方、事務作業などで体を動かすことが少ない方に多いと言われています。また、長年便秘薬を使用していて腸の動きが悪くなっている方もこのタイプに当てはまります。

□押し出す力が弱いタイプ(弛緩性便秘)チェックリスト

当てはまる項目にチェックしてみましょう

□常にお腹が張っている感じがする
□便意をあまり感じない
□筋力が落ちてきた
□階段ではなく、エレベーターを使う
□体を動かすことが少ない
□60歳以上、もしくは女性である
□肩こりが気になる
□冷えやむくみが気になる
□便を出しても残っている感じがする
□便が固い・コロコロする

いかがでしたか?
3つ以上当てはまる方は「押し出す力が弱いタイプ(弛緩性便秘)」の可能性があります。

 

◍押し出す力が弱いタイプ(弛緩性便秘)の対処法

このタイプの最大の対処法は、まずは腸への負担になる食べ方を避けることです。腸の動きが悪い状態の為、「食物繊維」や「大量の水」は腸に負担をかけてしまい、さらに動きが悪くなる可能性があります。

◇対処法

◍朝にコップ1杯の水を飲む(腸の動きを良くする)
◍1日20分のウォーキングなど運動を心がける
◍お腹のマッサージをする
◍腸への負担が比較的少ない、水溶性の食物繊維(海藻類、果物など)を食べる
◍不溶性の食物繊維は控える(芋類や根菜類などは消化が悪く、詰まりやすくなる)
◍油の多い調理法は避ける(炒める、揚げるなどは腸に負担がかかりやすい)
◍梅干しやトウガラシ、香辛料など腸に刺激のある食材を適量を食べる
◍腹筋をしたり、歩いているときにお腹に力をいれるようにする
◍野菜にはしっかり火を通し、消化を良くする

のような対処法を行うことがおすすめです。

基本的には消化の良いものを食べ、徐々に腸の動きを良くするように心掛けます。ただし、長い間消化に良いものだけを食べていると、腸の動きが逆に悪くなってしまう可能性があります。少しずつ便通が整ってきましたら、根菜類や水分などを徐々に増やしていくようにすることがおすすめです。

 

◍押し出す力が弱いタイプ(弛緩性便秘)の方におすすめレシピ

◍野菜たっぷり発酵トマトスープ

◇材料(4人分)
たまねぎ(みじん切り):1/2個
にんじん(みじん切り):1/4本
キャベツ(みじん切り):5枚
鶏むね肉(皮なし・1口大に切る):1/2枚
トマトホール缶:400g
塩こうじ:大さじ1
オリーブオイル:大さじ1
にんにく(薄切り):1片
ローリエ:1枚
塩こしょう:適量
パセリ:お好みで
毎日えごまオイル:4袋

◇作り方

①鍋にオリーブオイルを入れ中火で熱し、ニンニクを炒め、きつね色になったら取り出す。
②①に鶏むね肉を入れ、色が変わるまで炒める。
③②にたまねぎ、にんじん、キャベツを入れ、しんなりするまで炒める。
④③に塩こうじ、ローリエを入れ、トマトホール缶をくずし入れ、蓋を閉めて弱めの中火で10分程度煮て、塩こしょうで味を整える。
⑤器に盛り付け、毎日えごまオイル、お好みでパセリをかけて完成。

◇レシピポイント

・野菜をみじん切りにし、よく火を通すことで腸の負担を減らし便通を促します。
・オリーブオイルは腸の動きの手助けをし、えごまオイルは便の滑りをサポートしてくれます。
・トマトに含まれるリコピンは、腸をストレスから守ってくれます。オイルと相性が良く、えごまオイルを併用することで吸収率が上がります。

 

1日で体は変わらないため、できることから積み重ねていくことが大切です。対処法をメモし、日々意識していくことができるとよいですね。